同窓会

ロンリーたらこ

中学、高校が同じで、大学を医大、「ジョイリーナ」な同窓生が
母校で、高校二年生を対象にした講演をしたらしい。
聴きに行きたかったけれど、明日の試験のこともあり、バタバタしていて行けなかった。
「お疲れ様!」とメールをしたら
「また みんなに会いたくなったよ」と返事。
そういう気持ちになるのはわかるような気がした。

でも、私は同窓会が嫌い。
ピンポイントで 会いたい人にだけ会うのならいいけれど、同窓会は嫌い。
「勝ち組」「負け組」を妙に意識した攻撃的な人たちの変な空気に触れたくない。

冒頭の彼女は、悪い子じゃない。
でも、苦手。

母校の学園祭では、高校3年生が演劇をすることになっていた。
私は監督。
彼女は大学受験組だったから、できるだけ何も「役」を持たないように、と気遣った。
そうしたら、「私も何かやりたい!」と言ったので、チョイ役をしてもらうことになった。
演劇の脚本を作るのに、空家でみんなで集まったら、そこにも顔を出してきた。
外部受験をする彼女に、「勉強大丈夫?お母さん、怒らはらへん?」とたずねたら、「大丈夫。」と答えてくれたので、そのまま参加してもらうことにしていた。
ある日、彼女のお母さんが乗り込んできて、私にこう言った。
「あんたねぇ、うちの子をそそのかさないで!」と。
私が叱られた。
そそのかしたりしていないし、無理やり参加してもらっていたわけじゃなかったのに、私が叱られた。
「あなたの娘さんが勝手に参加してるんです。」とは 言えなかった。
私の中高生活はそんなんばっかりだった。
うちの両親は、父兄会にほとんど顔を出さず、親同士のつながりもあまりなかった。
私はあることないこと、陰で言われまくる6年間を過ごしたんだった。

「もう、大人なんだから、みんなで楽しくやろうよ!」と誘ってくる人はいるけれど
あることないこと言ったりした人たちが あることないこと言ったことを恥じていて、反省しているなら「大人」になったかもしれないと思うけれど
私はもともと そういう意味では大人だったと思っているから
同窓会には出ない。

そういう考えを 高校3年の担任の先生はわかっていてくれた。
今回の彼女は、外部受験後、医大へ進学。卒業する年の最後の日、「学生」である日に結婚、二児を出産、女医として開業準備中。
順風満帆。
ねたんだりはしないけれど
私が彼女の母親に叱られたり愚弄されたことを彼女は知っているのかな?
もし、知っていても なんとも思わないのかもしれない。
母親の愛を感じるだけで、叱られた私に「申し訳ない」なんて思ったりしないんだろうな。
そのまま図太い神経で死ぬまで生きていけるんだろうな。

私ももっと 図太くなってやりたいな。