12年を振り返った

さようならをしてから 別れるんじゃなかったとか
別れて辛いとか そういう感情になったことはなかった。
今日、マンションへ 荷物の最終確認へ行ったら
押入れの中以外はほとんどキレイに段ボール箱につめられていて(箱の中はどうなっているかわからないけど)
掃除もしてあった。
明日以降、所有権のはっきりしないもので 部屋に残っているものは
処分します、という連絡があったので
最終チェックをしに部屋に入った。
一つ、プラスチックの箱があって そこにはどうみても私のものだと思われる荷物が きっちり入っていた。
suomiの象の貯金箱のオレンジ色のものがそこには入っていた。
オレンジ色と水色のを一緒に買って、それぞれで小銭を貯めていたもの。
冷蔵庫の中を見てみると、大きなナンプラーのボトルだけが入っていたので
それは捨てて帰ることにした。
illyのMOMAコレクションのカップと豆のセット、ALLESSIのカップは 置いていくことにした。

ちゃんと整理もしてあって、箱に私のものをまとめておいてもらったことのお礼をメールした。
このごろの私たちのやり取りは ほとんどが敬語とか丁寧語だったから
私からのメールも慇懃無礼なほどの丁寧語を使った。
返信はびっくりするほど くだけた言葉遣いだった。
「整理、結構できてるでしょ!箱、わかってもらえてよかった。」と きた。
出会ったころのことを思い出した。
格好をつけるために いい彼氏でいるために 海外旅行から帰る私を空港まで迎えにきてくれたことも思い出した。
一緒にレースを観に行ったり、私の友達の家へ遊びに行くこともあった。
予算を決めて、舞鶴まで魚を買いに行ったことも思い出した。
晦日から元日にかけて、伊勢神宮熱田神宮へお参りしたこともあった。
一緒にいて幸せだったとか そういうのは思い出さなかったけれど
優しい気持ちをもともと持っていたのに それを表現するのが上手じゃない人だったんだなぁ なんて おこがましいことを考えていた自分のことも思い出した。
御前通を北上して、七条との交差点で 私は西へ向いた。
Cが入院していた病院の前を通った。
毎日 通っていたこと、気弱になっていたCのこと、そういうことも思い出した。
つらいのではなく、なんだろう
なんだかよくわからないけれど
しばらく前がみえづらくなった。
雨が降っていたせいもある。
部屋の鍵をドアのポストに入れておこうと思ったのに
一本の鍵を家に忘れてきてしまったようだったので 家まで取りに帰ったけれど見つからず、
クルマのシートの下から出てきた。
今は 午後10時前@会社。
月曜日まで留守にするので その準備を終えたら
もう一度マンションへ寄って 鍵をポストに入れる。
で、終わり。
12年を振り返ることは もう ないかもしれないなぁ。