ウィンドチャイムの鳴るタクシー

「3」から大丸までタクシーに乗った。
ポイントカードを持っているヤサカタクシーに乗せてもらおうとしたら
目の前を過ぎたところだったので 乗れなかった。
しばらく進行方向へブラブラ歩いていたら
一台のタクシーが見えたので手を挙げてとめた。
小泉さんの「規制緩和」の波のせいで 小さなタクシー会社が増えた京都。
でも、今回乗せてもらったタクシーは電鉄系の名前の付くところ。
ハンチング帽を被ったドライバーさん。
乗せてもらってすぐ、ドアを閉めてもらうと髄分を涼やか?な音が聞こえてきた。
茶店や何かで お客さんがお店に入ってくると ドアに取り付けられたいくつもの金管が鳴る、あの音。
そう、ウインドチャイムだ。
挙動ごとに鳴り響くウィンドチャイム。
うるさいといえばうるさい。
「この涼しげな音はどこから聞こえてくるのですか?」とたずねたら
「トランクにぶらさげているだけです。」と言われた。
「だけ」が 気になった。
ステアリングホイール周りを覗いてみると B級アイドルのような女性2人が女子高校生風の制服を着た画像が貼ってある。
グローブボックスのところには鉄人金本選手がいっぱいならんでいるポスターも貼ってある。
後部座席の後ろの窓には「桃子」とマジックペンで赤く書かれた「りらっクマ」の貯金箱が寝そべり
窓に向かって紙が「無限」を主張する。
サンバイザーには オレンジ色のサザエさんや波平さん、バカボンのパパをミックスしたような顔の描いてあるボールがつけられており
プラスティックでできた盆栽をかたどったものも飾られている。
盆栽にはクリスタルビーズでできたハートがついている。
妙なタクシー。
最初は、女子学生の画像について「お嬢さんですか?」なんて問うたりしていたんだけれど
「自分のボケ防止のためなんです。眠いときにね、見るんですよ。」といわれ
なにやらあやしい空気を感じ、周りを見てみて その他の不思議なモノモノの存在にも気づいたわけで。

これが桃子。

これが「無限」を主張する紙。
何かを話し出すときに「お客さんのように若くてかわいいお嬢さんがね、」と文頭につけてくれるのも不思議な感じだった。
京都の謎。